木造住宅の寿命は何年?期待耐用年数を考える
住み始めた頃は綺麗だったマイホームにもいつかは寿命がきます。それだけではなく、経年劣化に伴って維持費が発生します。
当記事ではさまざまな視点から木造住宅の寿命について考えていきます。
木造住宅の寿命は22年?
法定耐用年数は固定資産を使用可能な期間のことで、減価償却費の算定等において用いられる税法上の基準です。
木造住宅の法定耐用年数は22年と定められており、この数値が木造住宅の寿命として考えられることもあります。しかし、実際にはこの期間を過ぎて使われている住宅も多く、必ずしも住宅を利用可能な年数を表しているとは言えません。
より実状にあった寿命を考える上で重要な概念が「期待耐用年数」です。
期待耐用年数から考える木造住宅の寿命
期待耐用年数から考える
国土交通省が平成25年に発表した調査「期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について」で、木造住宅の「期待耐用年数」についての記述があります。
まずこの資料では、期待耐用年数について以下のように定義しています。
建築物の部位・部材又はシステムの性能低下に伴う安全性の低下、修繕費・運用費の増加、交換部品の不足、修繕不能等の問題を生じることなく、通常範囲内の維持管理により支障なくその機能を発揮すると期待できる、部材やシステムの耐用年数である。
国土交通省「期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について」https://xn--mlit-pb4c.go.jp/common/001011879.pdf
期待耐用年数は「メンテナンスの適宜実施により住宅を通常通り使用することができる年数」と考えてしまって差し支えないでしょう。
また、この調査では期待耐用年数に対置される概念として、「物理的耐用年数」「経済的耐用年数」を提示しています。
経済的耐用年数 | 期待耐用年数 | 物理的耐用年数 |
住宅が市場性を持つ期間。経済的視点を重視 | メンテナンスの適宜実施により住宅を通常通り使用することができる年数。機能性の視点を重視。 | 材料の物理的劣化に伴う耐用年数。工学的視点を重視 |
木造住宅の期待耐用年数は50年〜
その上で、上記資料では木造住宅の期待耐用年数について躯体とパーツ別に分けて述べられています。
建築評価手法やパーツによって期待耐用年数が異なるため一概には言えませんが、躯体の期待耐用年数は少なくとも法定耐用年数で定められている年数よりは長くなっています。
建物の平均寿命についての調査結果
また、早稲田大学「建物の寿命と耐用年数」によると、木造専用住宅の平均寿命は2011年調査で65.03年となっています。
この結果から、実際の木造住宅の寿命は法定耐用年数よりも長いと推測ができそうです。
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参考文献
- 国土交通省「期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について」https://xn--mlit-pb4c.go.jp/common/001011879.pdf
- 早稲田大学理工学部 小松幸夫教授「建物の寿命と耐用年数」http://www.f.waseda.jp/ykom/KO201603.pdf