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サービスルーム(S)とは?定義・使い方を解説

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目次

    「3LDK+2S」「2LDK+S」のように、間取りに”S”とついている場合がありますが、これは「サービスルーム」を指しています。

    意外と知らないサービスルーム。今回は間取りでよく見かけるサービスルームの定義、またその使い方について解説していきます。

    サービスルームは建築基準法を満たさない部屋のこと

    結論、サービスルームは居室とならない部屋、つまりは建築基準法における居室の基準を満たさない部屋のことを指す言葉です。

    建築基準法では、以下のように「居室」となる部屋の定義がなされています。

    居室 居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいう。

    建築基準法第二条四項

    また、建築基準法には居室について以下のような要件が定められています。

    第二十八条 住宅、学校、病院、診療所、寄宿舎、下宿その他これらに類する建築物で政令で定めるものの居室(居住のための居室、学校の教室、病院の病室その他これらに類するものとして政令で定めるものに限る。)には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、住宅にあつては七分の一以上、その他の建築物にあつては五分の一から十分の一までの間において政令で定める割合以上としなければならない。ただし、地階若しくは地下工作物内に設ける居室その他これらに類する居室又は温湿度調整を必要とする作業を行う作業室その他用途上やむを得ない居室については、この限りでない。

     居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、二十分の一以上としなければならない。ただし、政令で定める技術的基準に従つて換気設備を設けた場合においては、この限りでない。

    建築基準法第二八条

    上記のように、居室においては採光のための窓や開口部の大きさは、床面積の7分の1以上でなければならないと定められています。

    サービスルームは、この条件を満たさない部屋のことを指します。しだがって、サービスルームは居室の扱いにはならないので、部屋数には含まれず、不動産広告にも「S」「納戸」というように記載されています。

    必ずしも部屋として利用できない訳ではない

    とはいえ、あくまで居室ではないだけで、部屋であることには変わり無いため、後述するようなさまざまな使い道で活用できます。

    サービスルームと納戸は同じ?

    サービスルームと似たような用法で使われる言葉に「納戸」があります。

    納戸も居室の要件を満たさない部屋の名称として用いられます。そのため大体の意味はサービスルームと同じで、両者に明確な区別はありません。

    強いて言うなら、サービスルームと納戸は物件の雰囲気によって使い分けがされています。

    具体的には洋風住宅であればサービスルーム、日本家屋では納戸と呼ばれることが多いようです。

    サービスルームのメリット2つ

    家賃が比較的安く設定されている

    これはどちらかというとサービスルームのある物件のメリットですが、サービスルームのある物件は価格が比較的安くなります。

    サービスルームは居室としてカウントされないため、例えば4つ部屋がある場合でも「4LDK」と「3LDK+S」では、後者の方が物件価格が安くなる傾向があります。

    収納のスペースを拡張できる

    サービスルームは主に収納スペースとして活用することが期待されます。

    家に長く住めば住むほど収納スペースの不足は問題になるので、収納スペースが広がるのは嬉しいですね。

    サービスルームのデメリット2つ

    日当たりが悪い

    サービスルームは採光条件の悪さにより居室として扱われない部屋のことです。

    そのため、どうしても日当たりは悪くなってしまいます。

    風通しが悪い

    サービスルームは開口部がない、またあっても小さいので換気性能も悪くなってしまいがちです。

    日当たりが悪いことも相まって、長期間の作業などにはあまり向かないこともあるかもしれません。

    サービスルームにはエアコンを付けられない?

    サービスルームは居室ではないため、広さによってはコンセントや電話回線などの設備が用意されていないことがあります。そういった場合は、エアコンやテレビなどの家電の設置ができないので注意が必要です。

    サービスルームの使い方3選

    物置として利用

    サービスルームの使い道として最も考えられるのは、服などを収納するスペースとしての利用です。

    特にサービスルームが狭く、部屋として利用することが難しい場合はクローゼット代わりとして活用するのが無難と言えるでしょう。

    ワークスペースとして利用

    もしサービスルームに十分な広さがあれば、テレワークや勉強などのためのスペースとして用いることも考えられます。

    「寝室で仕事はしたくないけど、リビングは賑やかで集中できない・・・」という方におすすめです。

    ただし前述のように、コンセントなどが設置されていない場合は、光が入りにくいこと、また換気性能が悪いことも相まってワークスペースとしての利用は難しいでしょう。

    趣味のスペースとして利用

    コレクションを保管したり、シアタールームとして活用したりするための趣味のスペースとして活用するのも1つの選択肢です。

    まとめ | サービスルームは居室ではない部屋

    サービスルームは部屋の内、採光条件を満たさないことにより居室として見做されない部屋のことを指します。

    日当たりや風通しなど難点もありますが、様々な用途で活用されることが期待できます。

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