建売住宅とは?注文住宅との比較・メリットデメリット
住宅について調べる際、建売住宅という言葉を度々目にするでしょう。
あまり聞きなれない言葉のようにも思えますが、建売住宅とは一体どのようなものなのでしょうか?
当記事では建売住宅とは何か、またそれに対置される概念である注文住宅と比較したメリット・デメリットなどについて解説していきます。
建売住宅は土地と建物がセット売りされている住宅
建売住宅とは、既に完成している建物、あるいは完成予定の建物と土地がセットになって販売されている住宅のことを指します。建売住宅と似たような意味の言葉で「分譲住宅」があり、これは分譲住宅地に建設された建物と土地がセットになって複数販売されているものです。
建売住宅と分譲住宅は、ほとんど同じような意味で用いられることもあります。
注文住宅との違いは?
建売住宅や分譲住宅を既製品とするならば、注文住宅はオーダーメイドで販売される住宅と考えることができます。
注文住宅は、自分の好きなように住宅をカスタマイズできるのが特徴です。
建売住宅は既に用意されている建物と土地がセットで販売されているものになりますが、注文住宅の場合は、土地と住宅を別々に用意する必要があります。
具体的にはまず土地を探し、土地が決まればハウスメーカーに建設の依頼を行うという流れになります。
建売住宅のメリット2つ
注文住宅に比べて価格が低く抑えられる
建売住宅の場合、注文住宅を買う場合よりも価格を抑えられるというメリットがあります。
住宅ローン「フラット35」を提供する住宅金融支援機構の調査によると、2021年度の建売住宅および土地付き注文住宅の平均購入価格や、購入者に対する融資の平均金額は以下の通りです。
建売住宅 | 土地付注文住宅 | |
建設費 | 3010.6万円 | |
土地取得費 | — | 1436.1万円 |
購入価格(建設費+土地取得費) | 3604.9万円 | 4446.7万円 |
融資金額 | 3120.9万円 | 3840.6万円 |
1ヶ月あたりの返済額 | 10.37万円 | 12.44万円 |
この図表からも分かる通り、建売住宅は注文住宅と比較すると費用面が低く抑えることが可能。
注文住宅の場合、建売住宅にはないような様々なオプションをつけられたりすることから、費用が高くなる傾向があります。
入居までの時間が短く済む
建売住宅の場合は、既に建物が完成している状態で売られていることも多いため、短期間で入居できます。
注文住宅の場合は施工から完成まで、おおよそ1年かかると言われていますが、建売住宅の場合は1ヶ月程度で入居できる場合もあります。
建売住宅のデメリット2つ
カスタマイズ性に欠ける
建売住宅の場合、間取りや設備、外観は全て決められているため、カスタマイズ性に少し欠けてしまうのが難点です。
個性がないものもある
特に分譲地に建設されているような建売住宅の場合は、周りの住宅と同じ外観・間取りになっていることも多いです。そのため、「他にないような家が欲しい!」と思う方にはあまりおすすめできません。
こだわって作られた建売住宅もある
ただし、全ての建売住宅/分譲住宅が個性に欠けるわけではありません。不動産会社によっては、注文住宅に負けず劣らず個性的な住宅を販売しているところもあります。
過去に弊社では、大きなガレージと高級感のある外観、海が見える立地を売りにした建売住宅を販売したことがあります。
建売住宅には個性に欠けてしまうようなものもありますが、このように個性的な物件も少なからず存在します。
そのため、一概に建売住宅は個性がないとは言え切れないでしょう。
気になる建売住宅の寿命は?
建売住宅の寿命は20〜30年程度と言われることが多々あります。
これは、税法で木造住宅の法定耐用年数が22年と定められていることが、根拠になっていると考えられます。
また、一般的に戸建の資産的価値は20~30年ほどでほぼ0になると言われています。
耐用年数=住宅の寿命とは限らない
ただし、耐用年数はあくまで税法で定められているものに過ぎず、耐用年数を過ぎたからといってその住宅に住めなくなるわけではありません。
では、実際に住み続けられる年数はどのくらいになるのでしょうか。早稲田大学の小松幸夫教授が行った調査では、2011年時点で木造住宅の平均寿命は65年程度と結論付けられています。
住宅区分 | 2011年時点での平均寿命 |
RC系住宅 | 68.07年 |
鉄骨造住宅 | 59.29年 |
木造専用住宅 | 65.03年 |
最近では住宅性能が向上しており、上記の結果よりも長く住めることも期待できます。
まとめ | 建売住宅は土地と建物のセット売り住宅
建売住宅は土地と建物がセットで売られている住宅のことを指し、「注文住宅と比べて費用が安く済む」「早く入居できる」といったメリットがあります。
その反面、「カスタマイズ性に欠ける」「個性に欠けるものも多い」といったデメリットもありますが、後者については個性的な外観・設備を備えたものもあるので、色々と条件を吟味して、ご自身に合った選択をすることが重要です。