住宅業界で話題-ウッドショック-
こんにちは!平塚メイン不動産の竹内です。今回は今住宅業界で話題の”ウッドショック”についてお話していきます。近年の一般木造住宅は価格が上昇傾向にあります。原因の一つとしてウッドショックが関係してます。メディアで取り上げられることも多くなってきたウッドショックですが、一体どういうものなのでしょうか。それでは解説していきます!
目 次
ウッドショックとは?
ウッドショックとは、木造住宅の骨組みで使われる柱や梁、土台などの木材が不足し価格が高騰している状況のことを意味しています。かつて日本を震撼させたオイルショックやリーマショックと同じよう名付けられたそうです。これにより住宅業界は大きな影響を受けることとなります。
ウッドショックの原因は?
ではなぜウッドショックが起きてしまったのでしょうか。新型コロナウイルスの影響で、原産地である海外の木材製造が著しく減ったことが関係しています。なぜ海外の話なのに、日本に影響があるのでしょう。
原因をお話する前にまずは日本の住宅事情について軽く触れておきます。
・日本の木材の海外依存
日本の木造住宅事情なのですが、海外輸入木材に依存しています。日本の木造住宅の骨組みで使われている木材は6~7割ほど海外輸入品になっております。戦後の日本で住宅需要がひっ迫し、木材の伐採が多く行われ日本の木材は一気に減ってしまいました。家に使える木材になるまで、30~40年の長い時間がかかるので海外の輸入木材に頼らざる負えない状態になっているのです。また日本は林業が衰退傾向にあります。切る木材が少ないので林業者はおのずと減ってしまいます。こういった背景もあり、尚更海外に頼らざる負えない状況にあるのです。
以上が日本の住宅事情になります。日本だけの木材では重要と供給のバランスが不均衡ーになりますので、海外木材に依存する他ないのが現状の日本です。次にウッドショックに陥ってしまった原因についてお話していきます。
・海外木材の現状、生産率の低下
木材大国であるカナダの木材が害虫の影響で、減少してしまったのと新型コロナウイルスの影響で伐採業者が著しく減り、生産率が低下してしまったことが原因にあげられます。カナダの木材は日本にとっても大きな輸入先になっていたので大きな影響を受けてしまいました。もちろん日本だけでなく世界的にも大きな影響となりました。
・海外の住宅建設ラッシュ
海外では住宅の需要が高まっています。主にアメリカと中国です。理由として新型コロナウイルスの影響で、リモートワークに移行している人が増え住宅需要が増えたことと、それに伴い住宅ローンの金利が低くなったのが理由に挙げられます。低金利で尚且つリモートワークによる住宅の需要が重なり、木材不足により住宅の価格は高騰しているものの今が買い時と考える方が多くいるため、建設ラッシュが止まらない状況です。
以上がウッドショックの主な原因になります。日本にとって主軸のカナダが倒れ、木材が不足している中でもアメリカ中国では不動産バブルに突入し、木材不足がさらに加速しているのが現状です。
どのような影響が?
前述でもお話した通り、住宅の価格は高騰していきます。需要と供給の不均衡がある限り、日本の自給だけではやっていけません。それでも各々住宅メーカーさんや工務店さんは家を売っていかなければなりません。そうするとどういう現象が想定されるか?考えていきましょう。
①利益率が低い状態で売る
ウッドショックの影響で家の値段が高騰しているのは事実です。輸入木材は現状1.5倍から2倍で取引されているので、一つの戸建てで100~250万円ぐらい値上がりがあります。ですが、それは原価が高くなっているのであって、売り出し金額があからさまに高くなっているのではありません。多少なりとも売り出し金額に影響はあれど、木材高騰分の価格が減額されている場合がほとんどです。この現象は買う人にとってはさほど影響はありませんが、家を作っている会社は利益率が下がるので大きな影響を受けます。
②利益が少ない状態が続くと、、、
利益が少ない状態が続くと従業員への給料を安くするか、売り出し価格を上げなければ会社は存続できません。売り出し金額が上がったら家買わないですよね?なので、従業員の給料を減らす他ない状態になります。
③給料が安くなるとどうなる
どの業界もそうですが、給料が安くなると、家なんて買ってる場合じゃなくなります。結局家を買うことをあきらめる方向に流れてしまいますね。
④家の価格下げ、買える金額へ
買えない理由が金額なのであれば、家を建てる会社は何とか売り上げを上げようとさらに家の売り出し金額を下げ、経営を切り盛りしていくでしょう。
皆様はもうお気づきかと思いますが、これ①~④がずっと繰り返されてしまいます。この現象が”デフレスパイラル”というやつです。どの業界でも起こる話ですが、少なくとも住宅業界はウッドショックが影響でこのような事態になるのではないかと言われております。デフレ脱却は今日本が取り組まなければいけない一つの課題でもあります。不動産事業は日本にとっても大きな産業の一つになりますので、デフレ脱却に向かっていきたいですがウッドショックがこのまま続くとデフレ脱却は難しいのではないでしょうか。ウッドショックが原因のデフレスパイラルは経済に大きな影響を与える一つの要因となります。
いつになったら解決する?
わかりません。正直解決の目処はまだ立っていないのが現状です。海外では木材の価格の高騰は止まりつつありますが、これから日本に入ってくる木材は高価契約された木材なのです。なので2022年もウッドショックの影響は大きいままでしょう。
悪いことばかりじゃない!!
ウッドショックの影響で木材の高騰の影響をうけ、大打撃となった住宅業界ですが、悪いことばかりではありません。ウッドショックの影響で大きく進歩した住宅ジャンルもあります!
リノベーション住宅
(写真は築30年のリノベーション住宅)
リノベーション住宅というのは、簡単に言うと中古住宅をリフォームした住宅です。中古の家の骨組みはそのままで、内装や外装、設備などを新しいものにして、売りに出すというジャンルです。ウッドショックで価格高騰している骨組み(柱や梁、土台)をそのまましてリフォームをすることで、価格高騰の影響が少なくなります。数多くのリノベーション住宅を見てきましたが、クオリティは新築同様高いです。新築って言われても違和感ないものも多くあります。さらに日本の社会問題として”空き家問題”というものがあります。リノベーション住宅が増えることで社会問題解決につながるとし、政府も支援に力をいれるようになりました。今までもリノベーション住宅はありましたが、需要の高まりと政府の支援でこれまで以上に注目を浴びることになる住宅ジャンルとなりました。新築信仰傾向にあった日本ですが、時代が変わる節目に今立っているのではないでしょうか。今後さらに需要が高まり、リノベ住宅業界が盛り上がることに期待していきましょう!
木造住宅は今が売り時!?
前述で話したリノベーション住宅の需要の高まりに引っ張られ、今中古戸建ての需要価値が高まりつつあります。自分自身でリノベーションを計画してやりたいという方も増えておりますし、新型コロナウイルスの影響で在宅時間が増えたことから、住宅需要の高まりはまだ上がり続けています。リノベーションしてなくても戸建ての家に住みたい!と思う方は山ほどいらっしゃいます。なので、高値で売れる可能性や早く売れる可能性があるのは今なのではないか?という話が現在も続いております。
まとめ
いかがでしたか?ウッドショックの影響で打撃を受けてしまった住宅業界ですが、不幸中の幸いで、大きく進歩した住宅ジャンルも存在します!!今後も高まる住宅需要ですが、新築以外にもリノベーション住宅や中古住宅にも目を向けてもいいかもしれませんね!向かい風でもまだまだ進化していく住宅業界に今後も期待していきましょう!!
以上!!!!